アスリートをサポートする栄養士の日々。

スポーツ栄養士の日々の記録。

みんな気になるトランス脂肪酸の話。

「マーガリンにはトランス脂肪酸が入っているので体に悪い!」という話。誰もが聞いたことがあるのではないでしょうか。これって本当なの?ちょっと語ってみます。

まずは、さくっとマーガリンのトランス脂肪酸について。マーガリンは元々液体の植物油脂を「水素添加」という加工をする事で、固体にしています。その過程で、トランス脂肪酸が出来てしまいます。水素添加した油脂のことを部分水素添加油脂と言います。アメリカは部分水素添加油脂の規制が2018年6月から始まりました。

また、バターには天然由来のトランス脂肪酸が含まれますし、油を使った調理でもトランス脂肪酸は発生します。

次に、事実を確認するために、農林水産省のHPより、必要な数字を引っ張り出します。農林水産省の平成26・27年度と平成18・19年度のデータを参考にしました。

平成26・27年度のデータを見ると、マーガリンの中央値で、トランス脂肪酸が0.99g/100g、飽和脂肪酸が33g/100g。平成18・19年度のデータはトランス脂肪酸が8.7g/100g(飽和脂肪はデータなし。)。また、バターは平成18・19年度のデータでトランス脂肪酸が1.9g/100g。食品成分表より、飽和脂肪酸は50.45g/100g。(「天然のトランス脂肪酸のみを含むと考えられる食品(牛肉、バター等)は平成26・27年度の調査対象から除きました。」とあり。バターの値は変わらないと思うので、これを参考にします。)

この結果から、「平成18・19年度よりトランス脂肪酸濃度が低い傾向にあることが確認できました。このことから、食品事業者によるトランス脂肪酸の低減の効果が現れていると考えられました。」とありました。その通りだと思います。それに、測定方法の違いがあるのは事実ですが、マーガリンのトランス脂肪酸の中央値がバターのそれより値が小さいという結果。天然のトランス脂肪酸と、水素添加によるトランス脂肪酸という違いはありますが、大変驚きました。

外国と違って、日本では元々の摂取量が少ないということで規制はありません。これを問題視する人もいますが、決して日本で野放しになっているというこはありません。食品企業はトランス脂肪の低減に取り組んでおり、データを見ると10年間でも含有量は大きく減っています。だから、10年前と同じ感覚で恐れる必要はないと思うのです。更に、日本の食品会社でも、部分水素添加油脂不使用の商品を作っているところが出てきました。ただし、部分水素添加油脂不使用でも、トランス脂肪酸は0ではありません。

また、トランス脂肪酸が怖いからバターを使う、という方もいらっしゃるかもしれません。確かにバターには水素添加によるトランス脂肪酸は入っていません。しかし、飽和脂肪酸含有量はバターの方が多い。だから、バターの方が安全だとも一概には言えないのです。

以上が、私の知っている、トランス脂肪酸の事実です。以下、まとめ。

①バターにも天然由来のトランス脂肪酸が入っている。

②食品会社はマーガリン類のトランス脂肪酸の低減に取り組んでおり、部分水素添加油脂を不使用の商品を出す会社もある。商品によって含有量のばらつきが大きい。心配なら、部分水素添加油脂不使用のものを選べ良いのでは。

飽和脂肪酸が多いのはバター。マーガリンの代わりにバターにすれば安心!ってわけじゃない。