アスリートをサポートする栄養士の日々。

スポーツ栄養士の日々の記録。

ツナ缶は魚としてカウントして良いか?

魚を食べましょう、とはよく言われることです。私も毎日の夜ご飯のうち、2日に1回は魚にするように意識しています。肉を食べたい旦那様には「魚ノルマ」と言われているのですが、その魚ノルマについて気になっていることがあります。それは「ツナ缶を魚ノルマに含めて良いか」ということ。これについて今日は考えてみたいと思います。

まず、何で魚を食べよう!って言われるんでしょうか。ぱっと思いつく理由としては、

DHAEPAという、他の食品ではなかなか摂取できない栄養素が摂れるから。

②肉ばかり食べていると、飽和脂肪酸の摂りすぎになるから。

という2つがあります。DHAEPAは酸化しやすい油なので、できれば生で(つまりお刺身で)食べると良い、とよく言われます。ツナ缶は加熱もされている加工品ですが、この2項目をクリアすることができるのでしょうか。

参考になる情報を探します。まずは手っ取り早く、ツナ缶を作っている会社のHPを見てみることにします。はごろもフーズさんのHPを見てみると、大まかな栄養成分の数値は見つけましたが、DHAEPA飽和脂肪酸の数字までは見つけられませんでした。また、ツナ缶のDHAEPAに関する説明も見つけられませんでした。

ということで、一般的な値ということにはなりますが、食品成分表に頼ることにしました。食品成分表にはDHAEPA、その他にリノレン酸を含むnー3系多価不飽和脂肪酸飽和脂肪酸の量が載っていますね!「まぐろ缶詰 フレークライト」の水煮と油漬の数値を引用します。いずれも100gあたりの数値です。参考までにきはだまぐろ生とアジの数値も書いておきます。

水煮 エネルギー 71kcal

        飽和脂肪酸 0.18g

        nー3系多価不飽和脂肪酸 0.15g

油漬 エネルギー 267kcal

        飽和脂肪酸 3.37g

        nー3系多価不飽和脂肪酸 1.40g

まぐろ エネルギー 112kcal

        飽和脂肪酸 0.21g

        nー3系多価不飽和脂肪酸 0.21g

アジ エネルギー 126kcal

        飽和脂肪酸 1.10g

        nー3系多価不飽和脂肪酸 1.05g

ちなみに、日本人の食事摂取基準より、n-3系脂肪酸の摂取の目安量は、18〜29歳女性で1.6gです。

いろんなことが見えてきました。

①油漬の方が飽和脂肪酸が圧倒的に多い。

②油漬の方がnー3系多価不飽和脂肪酸が圧倒的に多い。

③水煮にしても油漬にしても、ツナ缶のnー3系多価不飽和脂肪酸の量は青魚の量には及ばない。

①、②はどちらも原材料の違い、つまり油を加えたことによるものだと思われます。油漬に使われる油は色々ありますが、はごろもフーズさんのHPをみると大豆油が使われることが多いようです。大豆油の主な成分の中に飽和脂肪酸リノレン酸があります。これが数値の差を生んんでいるのではないかと考えます。つまり、油漬けはnー3系多価不飽和脂肪酸が多いように見えますが、その大部分はリノレン酸で、DHAEPAは少ないのではないでしょうか。

色々書いてきましたが、結論としては、DHAEPAを摂るという目的でツナ缶を利用するのは、あまり目的を果たせなそうです。ただし、水煮缶は飽和脂肪酸の量が少ないので、肉を摂りすぎるデメリットを打ち消すためには役立つと考えられます。油漬も油を捨てて使用することが多いので、数字ほどの飽和脂肪酸の摂取にはならないと思います。

体のことを思うと魚を食べる頻度を増やしたいのですが、一方で魚料理は手がかかる印象があり、どうにか簡単にできないかな…というのがずっと頭にあります。今後もどうやったら手軽に魚を食べられるか、模索する日々が続きそうです。