栄養士かめ子のブログ。 〜栄養学と食べ物とそのまわりの話〜

栄養士かめ子です。栄養学オタクの理系栄養士が、栄養学や食品の面白い話をするブログ。たまに、美味しいものの話。

野菜350gの根拠を簡単に噛み砕いて。

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こんばんは、栄養士のかめ子です。写真はある日の味噌汁。私の味噌汁はいつだって野菜たっぷり。「おかずになる味噌汁」です。

先日、緑黄色野菜の摂取量の目標「120g /1day」がどのようにして設定されたのか、まとめました。

eiyoushikameko.hatenablog.com

しかし、そもそもなんで「野菜は1日350g」が目標にされているのでしょうか。栄養士・管理栄養士なら、耳にタコができるほど聞く数字ですが、正直鵜呑みにしていた情報で、根拠が何かと言われると自信がなかったので再確認してみました。

厚生労働省が定めた健康の目標「健康日本21」の中にその答えがありました。野菜の摂取量の目標を決めるのに関わった栄養素は、「食物繊維・カリウム・ビタミンC」の3つです。

まず、この3つの栄養素のうち食物繊維とビタミンCについて、摂取量が適正だと判断するための基準を決めました。食物繊維は「6g/1000kcal以上」、ビタミンCは「30mg/1000kcal以上」に決められました。

次に、90年代に行われた国民健康・栄養調査の結果から、この3つの栄養素がどの食品群の食品を摂取して得られているかを調べました。その結果、食物繊維はその他の野菜・果実類・緑黄色野菜の順、カリウムは緑黄色野菜・その他の野菜の順、ビタミンCは果実類・緑黄色野菜・その他の野菜の順で寄与の割合が大きいことが分かりました(その下も順位は続きます)。

これを踏まえて、これらの栄養素に関して十分な摂取量を確保するためには、野菜をどの程度摂取する必要があるか、検討しました。「野菜(緑黄色野菜+淡色野菜)を◯g摂取したら、食物繊維がが◯gになる」ということを考えたのです。

その結果、「350g~400gの摂取が必要」という結果が得られたのです。目標が下限の350gになったのは、現状の平均摂取量が350gに達していないからではないかと推測します。

調査結果のグラフを観ると、350~400gの野菜摂取量で、食物繊維は18gくらい、カリウムは3400mgくらい、ビタミンCは170mgくらい摂取できることになります。野菜以外の食品からの摂取もあることを頭に入れて、食事摂取基準の数字と比べると、野菜350gで食事摂取基準の数値を充足できるということが理解できました。

 

…っという感じです。健康日本21とにらめっこして、これでも噛み砕いたつもりです。栄養士・管理栄養士として、指導の対象者とお話をすると、「野菜350g」はよく出てくる言葉だと思います。その他にも相手に目標値を示すことは多くあると思いますが、その根拠は?と言われると、自信がなかったり、ど忘れしてしまったりということがあると思います。専門家として、責任持って発言するためにも、色んな数字の背景を整理しておくことが大切だと思います。