栄養士かめ子のブログ。 〜栄養学と食べ物とそのまわりの話〜

栄養士かめ子です。栄養学オタクの理系栄養士が、栄養学や食品の面白い話をするブログ。たまに、美味しいものの話。

粉ミルク調乳のハードルと液体ミルクの必要性。

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こんばんは、栄養士のかめ子です。

液体ミルクの発売が思ったより近いようです。災害時は勿論、お出かけで熱湯が手に入らない時など、液体ミルクは色んな時に役立ちそうです。

でも、最初から液体にする事で、かさばります。保存に場所を取るし、運搬コストもかかるでしょう…。それなのに必要とされるのはどうしてなのか。粉ミルクの調乳がとても面倒くさいという点から説明したいと思います。

 

まず、哺乳瓶や粉を測るスプーンは殺菌する必要があります。また、粉ミルクは「一度沸騰させた、70℃以上のお湯で調乳する」というルールがあります。まず、「沸騰させる」というのは水の殺菌の為、「70℃以上」というのは粉ミルク自体の殺菌(サカザキ菌、サルモネラ菌)の為に定められています。ちなみにこれは、メーカーが定めたのではなくて、WHOにより国際的に決まっている事です。どれも免疫力の弱い赤ちゃんを守るための決まりです。

また、調乳に使用する水は基本的には水道水を使用します。水道水にもミネラル分が含まれていますが、この水道水のミネラルも考慮して粉ミルクの成分は決まっています。だから、逆にミネラルウォーターを使ってしまうと、ミネラル分が多すぎて、赤ちゃんの消化器系の負担になる可能性があるのです。ただ、全てが使えないわけではないので、粉ミルクの調乳に使用して良いかどうかは、お水の発売元に確認して下さい。(ミネラルウォーターを使用する場合にも一度沸騰させて下さい。)

また、栄養価の高いミルクは雑菌が増えやすいです。調乳後出来るだけ早く飲ませ、最長でも2時間までしか保管できません。また、口を付けた場合はそこから雑菌が入るので、途中で飲むのを止めてしまっても、処分する必要があります。

このように、

・一度沸騰させなければいけないこと

・水道水を入手しなければいけないこと

・調乳後長く保存できないこと

など、デリケートな赤ちゃんに安全に飲ませるには、注意しなければいけない点が沢山あるのです。災害時やお出かけ時ではない日常でも、面倒になりそう…。

粉ミルクの調乳は結構面倒なことがお分かり頂けたでしょうか。こんなハードルがあるから、液体ミルクが必要だと言われてきたのです。

今のところグリコだけなのかな?今までの新生児用ミルクと形状が違うので、大変だと思います。過去に食品会社にいた身としては、製造ラインはどこに作るの?新工場?少子化で採算は?とか色々気になります…。動向を見守っていきたいと思います。