栄養士かめ子のブログ。 〜栄養学と食べ物とそのまわりの話〜

栄養士かめ子です。栄養学オタクの理系栄養士が、栄養学や食品の面白い話をするブログ。たまに、美味しいものの話。

お弁当に卵を入れる時に気を付けてほしいこと!

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こんばんは、栄養士のかめ子です。いつかのおかずです。焼いたほうれん草と人参の真ん中に、チーズを入れて、卵を落として焼いたもの。黄身の真ん中に穴を開けて、野菜に黄身を付けながら食べると最高なんですよね!お弁当でもトロトロの黄身や半熟のスクランブルエッグを食べられたら良いですが・・・。ちょっと不安に思った出来事のお話です。

 

 

きっかけ

私はTwitterInstagramをやっており、自分の勉強のためにも、いろんな方の料理の写真を見ています。彩りとか食材の使い方とか、とても勉強になることが多いです。そんな中で「ん?」と思った出来事がありました。それは、家族に持たせるお弁当に、黄身が半熟の卵を入れている写真を見たことです。とってもかわいいし、「映え」なお弁当なんですよ!でも食中毒が心配になりました。

 

鶏卵で心配される食中毒

卵はきちんと衛生管理をしないと食中毒の危険がある食材です。日本人は生卵を食べるから、生卵や半熟卵が危険だという意識が薄いのかな、と感じています。

卵で一番心配される食中毒は、サルモネラ菌による食中毒です。サルモネラ菌は卵の表面に付着している他、最初から卵の内部に菌が入っている場合や、卵殻の割れ目の部分から中に菌が入る場合があります。卵の外側は出荷時に洗浄・消毒されていることが多いので、卵殻に付着した菌より、卵の中に入った菌が問題になります。ただし、直売所で売られているものや、バラ売りされているものは洗浄・消毒されていない可能性があるので、卵殻からの汚染にも注意が必要です。

また、卵は卵殻や卵殻膜自体にも細菌の侵入を防ぐ働きがあるので、割ったりヒビが入ったりすると、細菌が増殖しやすくなります。

 

サルモネラ菌食中毒とは

潜伏期間は12~24時間で、主な症状は水様下痢・腹痛・発熱・吐き気・嘔吐などです。ほとんどの場合1週間以内に回復しますが、新生児や乳幼児は症状が重くなることがあります。また、症状回復後も排せつ物の中に菌を排出する期間が長く続く場合があり、保菌者として症状は治まったのに次の感染源になる場合があります。

過去にはサルモネラ菌食中毒による死亡例もあります。

 

お弁当の食中毒を防ぐために必要なこと

生や半生の卵を食べる場合、サルモネラ菌が生きた状態で口に入ってしまう可能性があります。この為食中毒を防ぐには、サルモネラ菌が増殖する前に食べる必要があります。冷蔵の温度で保管した賞味期限内のものを、食べる直前に割ることが推奨されます。殻を割って時間が経った生や半熟の卵は、サルモネラ菌が増殖している可能性があるからです。

お弁当の場合、加熱不十分の卵を調理後直ぐに食べることはできませんよね?だから逆に言うと、お弁当に卵を入れる場合は、十分に加熱して卵を殺菌して下さい。サルモネラ菌は熱に強くはありません。75℃1分の加熱で死滅します。見た目や子供の好き嫌いなく食べてくれることも大切ですが、何より安全であることが一番です。

栄養士としては、加熱不十分の卵は、作ってから食べるまでに時間のかかるお弁当には入れないでほしいです。

 

まとめ

加熱不十分の卵をお弁当に入れることのリスクが伝わったでしょうか。生卵は、給食現場で働く栄養士・管理栄養士さんが食べないというくらい、食中毒のリスクがある食品なんです。

これから気温が上昇していく時期で、細菌性食中毒の発生件数も増える季節に突入します。ちょっとの注意で食中毒のリスクは減ります。大切な人に食べて貰うお弁当です。安全に美味しく、食べて欲しいものです。

 

〈参考〉

・細貝祐太郎、松本昌雄、廣末トシ子「新食品衛生学要説 2014年版」(2014)

・神奈川県 ウェブサイト(2019/4/15閲覧)

・東京都副詞保健局ウェブサイト(2019/4/15閲覧)