こんばんは、栄養士のかめ子です。最近、貧血について色々と考えている私です。貧血の一つの原因が鉄の不足です。鉄を摂取するための、「鉄を多く含む食品」といえば、レバーやほうれん草、プルーンなどのイメージがある方が多いと思います。今日は、この中のプルーンが、本当に鉄が豊富だと言えるのか、確認したいと思います。
また、日本人が「プルーン」と言われて想像するのは、生ではなく乾物のプルーンだと思います。なので、ドライプルーンについて、考えていきます。
1日の鉄の必要量
まず、食事摂取基準から、鉄の推定平均必要量と推奨量を確認します。20代で月経のある女性の1日当たりで、
・推定平均必要量 8.5mg/日
・推奨量 10.5mg/日
でした。
食品の鉄の含有量
一般的に鉄の含有量が多いと言われる食品をいくつかピックアップして、鉄の含有量を比べてみたいと思います。鉄には主に動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」の2種類があることは、以前説明しました。
ドライプルーンに含まれる鉄は非ヘム鉄なので、非ヘム鉄を多く含むと言われる食品や、乾物の他のフルーツを見てみようと思います。
・プルーン乾 1.0mg/100g
・ほうれん草 2.0mg/100g
・小松菜 2.8mg/100g
・納豆 3.3mg/100g
・木綿豆腐 1.5mg/100g
・レーズン乾 2.3mg/100g
・バナナ乾 1.1mg/100g
・いちご乾 0.4mg/100g
この様な結果になりました。
分かったこと
この結果を見ると、確かに、同じ重量で比べてみると、ほうれん草や大豆製品に引けを取らない量が含まれていると言えます。ですが、気になることが3つあります。
①つ目に、他の乾物のフルーツにも、ドライプルーンと同じくらいかそれ以上の鉄が含まれている食品があるということです。
②つ目に、もうこれはいつもの話ですが、ほうれん草は一度に100g食べられても、ドライプルーンを一度に100g食べることは考えにくいということです。因みに、最初の写真のよくある普通の大きさのプルーン、1個9gでした。
③つ目に、比較的吸収率が悪い非ヘム鉄ですが、ほうれん草やこまつなには、鉄の吸収を促進すると言われている「ビタミンC」が含まれています。これに対して(大豆製品にも言えることですが)ドライフルーツにはビタミンCは含まれていないということです。
この様な理由から、ドライプルーンが特に鉄不足の対策に向いているとは言えないのではないかと思います。
因みに生のプルーンは?
因みにですが、生のプルーンの鉄の含有量は、
・0.2mg/100g
でした。生で食べたとしても、鉄分が多いとは言えなそうです。
まとめ
プルーンが鉄の含有量が多い、というイメージを持つ方は多いと思います。ですが、実際調べてみると、特別多いわけではないことが分かりました。どうしてプルーンが、鉄分が多いイメージがあるのでしょうか・・・。今のところ、私も答えが見つかっていません。誰か、ご存知の方がいたら、是非教えて下さい!