こんばんは、栄養士のかめ子です。いつかのおかず。野菜(ソーセージも)は焼いて、卵は茹で卵にしてからお皿に並べ、チーズをのせて、グリルで焼いています。何だか見栄えが良いので、最近よくやる盛り付けです。今日はこの中でも使用している卵の話です。
「準完全栄養食品」とも言われることのある卵
以前、こんなブログを書きました。
卵は、食品成分表に掲載されている栄養素のうちのほとんどの栄養成分を含んでおり、またバランスも良いため、完全栄養食品に近い食品と言われることもある、という話でした。最近は鉄分の話をしましたが、勿論卵にも、鉄分が含まれているということです。
卵の鉄分
では、卵(一般的な鶏卵)に含まれる鉄分はどれくらいの量なのでしょうか。早速食品成分表で確認してみました。卵1個の重量は50g前後ですが、鉄の含有量は、
・0.9mg/50g
でした。食事摂取基準より、20代で月経のある女性の1日当たりで、鉄の推定平均必要量・推奨量は、
・推定平均必要量 8.5mg/日
・推奨量 10.5mg/日
なので、卵は、特別多くはありませんが鉄の供給源になると言えそうです。
ヘム鉄と非ヘム鉄
食品に含まれる鉄分を議論する時、必ず「ヘム鉄か非ヘム鉄か」という問題が浮上します。復習ですが、一般的に動物性食品に含まれるのがヘム鉄(吸収率15~25%)、植物性食品に含まれるのが非ヘム鉄(吸収率2~5%)です。
卵は動物性食品なので、鉄はヘム鉄として含有されていると想像できます。しかし!実は、卵に含まれる鉄は、「非ヘム鉄」なんです!
卵を食べる時に気を付けたいこと
卵に含まれる鉄が、比較的吸収率の悪い非ヘム鉄であることを説明しました。 吸収率を上げるために食べる時に意識してほしいことがあります。それは、「ビタミンCを含む食品と一緒に食べる」ということです。卵は完全栄養食品に近いと言われる食品ですが、残念ながらビタミンCは含まれていません。ですので、野菜など、ビタミンCが含まれている食品と一緒に食べることをお勧めします。
まとめ
卵に含まれる鉄が非ヘム鉄という話、私が知らないだけかと思って、何人かの栄養士さんに聞いてみたところ、ヘム鉄だと思っている人が多かったのです。あまり知られていないことなのかも知れません。
ですが、卵が色々な栄養成分をバランスよく含んでいる、優秀な食品であることには変わりありません。毎日の食卓に取り入れていきたいものです。
最後に、卵と言えば・・・、ポーチドエッグって自宅でも作れますよ!
〈参考〉
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」